一年。

ちょっと涼しい夏の朝、透き通った空を見あげるといまだに鼻の奥がつんとします。
もう1年が経つのに、いつまで経ってもぐずぐず。
普段の生活の中でもたびたびそういうことは起こるんだけど、
泣き明かした翌日の朝、通勤時に見た空が涼しげでとても透き通っていたから
特にそんな時は淋しくて仕方なくなる。

去年の今日、私は大切な大切な最愛のフェレット“せり”とお別れしました。
先日のサッカーで、お友だちからあの子の大好物だったサツマイモをいただきました。
本当にありがとう。あの子もとっても喜ぶよ。

サッカー観戦や遊びに出かける時、お休みの日にいつも首にぶらりとぶら下げているのは
せりの毛が数本入ったカプセルペンダント。今は、楽しい時間はいつも一緒です。

一通りこちらには色々と当時のことなどを書き綴りましたが、今日はまた
少しまとめて書かせていただきます。


前日の夜からシリンジでの強制給餌をしていて、翌日朝いちの病院では
体になにか異常があったわけでもなく、ただ「もう意識がない」ということと
「意識がないということは、もう苦しむこともない」ということを聞かされました。

前日の夜にしろその前の日までの様子にしろ、苦しそうな様子は見られず
今も苦しんではいないんだということが私にとって唯一の救いでした。
私も、それから先生も延命治療をすることは望まなかった。
1秒たりとも離れたくなかったし、先生も「この子もそう思っていると思う」といってくださったから。

病院から帰ってからは度々ひょこっとおしりを浮かせてうんちやおしっこをするのを
「しっかりしてるね」と笑いながら眺めておしりを拭いたり体を撫でたりして過ごし、
夕方、「お水でも飲もうか」と頭を支えてシリンジでお水を少し口に含ませると
ちょっとくいっと首を反らせた後、ゆっくりと永い眠りについていきました。

あの子がまだ元気な時、時々「この子とはどういうお別れをすることになるんだろう？」
ということを考えたことがありました。
病気で苦しんでいくのだろうかとか、死に目には会えないのだろうかとか。
ところが実際は想像もしなかったほど私にとっては幸せなお別れだった。
苦しむこともなく、私の目の前で、私の手の中で。
あの子はどうだっただろう？幸せだと少しでも感じてくれていたかな…。

お別れする数ヶ月前には体毛も薄くやせ細ってしまい、とても弱々しい姿をしていましたが
それからお別れする寸前までに急に体毛が生え始め、体もしっかり。
首に出来ていた小さなデキモノもいつの間にか治ってしまっていて
私がいうのもなんだけど、とてもきれいで若々しい姿でのお別れになったのでした。

●2010年4月頃●

元気はあったものの、見た目は弱々しくて…。 でも、その後みるみるうちに新しい毛が生えはじめました。

上の画像の10日後。↓

↓この首のデキモノもなくなってた。

ずっと見守ってくださっていたみなさんには、苦手な方もいらっしゃるかもしれない・・
とは思いつつ、眠ってしまったせりの姿をここで見ていただいちゃいましたよね。。。


フェレットの9歳は、贅沢過ぎるほど長生きです。
いつも賢く家族の様子をうかがっては気遣い、寄り添い、
あの子はきっと家族中で一番の家族の理解者だったと思います。
それは赤ん坊だった甥っ子に対してもそう。
泣き出せばいつも「あらあら・・」とばかりに寝床から這い出し、
そっと寄り添う姿が今でもとても印象に残っています。

あの子が亡くなったのは去年の今日の16時過ぎ。
その翌日は甥っ子の乳児保育が始まる日でした。
父が「めいっぱい子守りしとってくれたなぁ…」とぽつり。

放し飼いでいつも自由気ままに家の中を歩き回っていたせり。
私と私の家族の生活の中には常にあの子の気配があった。
ほぼ9年間ずっとあの子と一緒にいて私はとても幸せだったはずだけど、
本当はもっともっとずっと一緒にいたかった。
踏まないようにと何度も離れてはまたもたれかかってくる布団の中の駆け引きや
あのまん丸で“きょとん”とこちらを見つめる目が、まだそこにあって欲しいと思うのです。
いろんな思いが今でもとめどなくあふれてきてしまいます。

いい加減、立ち直らなきゃとは思うんだけど…なかなかね。
昨晩から、去年のこの時間はこうしていたなぁ･･とかそんなことばかりが頭を廻り
その度に目の前がぼんやりしてきてしまってしかたがない。
ここでみなさんからいただいた大切な言葉を読み返しても、今でも涙が止まらなくなる。
ほんとに困ったもんです。